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天国葬祭情報誌「SOLA(vol.61) 2024夏号」でご紹介いただきました。
アイリッシュ文化の魅力を乗せて走るフードトラック。
黒を基調にアクセントとして赤色の線が入ったフードトラックには「IRISH PUB PADDY FIELDON」( アイリッシュパブ パディフィールどん)の文字。「AZはやと」などに出向き、アイルランドチーズを挟んだホットサンドを振る舞う。ロースハムが入ったものや玉子が入ったものなど全4種。アイリッシュソーダやラテに加え、ギネスビールやウイスキーも出せる。
移動式屋台で、各地のイベントに出かける松尾さん。
アイルランド音楽に魅せられて
店名もアイルランドにちなむ。アイルランドにキリスト教を広めた聖パトリック(Saint Patrick)の愛称は「パディ(Paddy)」。「パディフィールド(paddy field)」は田んぼで、「田」が島津氏の家紋・丸十とアイルランドのサン・クロスに似ていることにちなむ。「どん」は「ん」が屋号に入ると縁起が良いとされており、西郷どんにも通じると、「どん」を加えた。
しかし、なぜアイリッシュパブでホットサンド?この疑問の答えは店の成り立ちにある。
店主の松尾祐徳さんは川崎市出身。元々はゲームのキャラクターを描くゲームデザイナーで、その後、ウェブデザイナーや広告代理店でIT の仕事などに携わってきた。
東京都世田谷区に住んでいた約10年前。コメディーライターでありイベント酒場のオーナーである友人から「音楽が好きならアイルランド音楽のライブを見においで」と誘われ聴きに行った。元々ダンスの伴奏でもある曲はノリが良く、一発でハマった。
音楽を聞くためにパブへ通ううちに、ギネスビールが大好きになった。そこで知り合った鹿児島出身の妻とは一緒に楽器を演奏したり、アイリッシュダンスを踊るようになった。
トースティー(ホットサンド)登場
2015年、結婚を機に鹿児島に移住。5年後の2020年6月「パディフィールどん」の営業を始めた。店舗を構えるのは資金面で厳しかったため、フードトラックを選択した。
屋号にもあるように、元々はビールとウイスキーをメインに考えていた。しかし、イベントによっては、お酒の販売ができないこともあるため、お酒だけではフードトラックとして成立しない。そこで、アイルランドを連想させる食事として思いついたのが、「トースティー(toastie)」(ホットサンド)。お酒などを飲む時の乾杯を英語で「トースト(toast)」とも言うことから、お酒ともつながると、トースティーを販売することにした。
アイルランド産チェダーチーズ入りオリジナルブレンドチーズのトースティー(ホットサンド)。うまい! |
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暑い夏におすすめの、あいすアイリッシュラテ(左)とアイリッシュソーダ(右)。 |
「音楽を聴いて、お酒を飲んで、リフレッシュして翌日の活力を取り戻していた」。アイリッシュ文化に救われたという松尾さん。そんなアイリッシュ文化を広めようと日々、フードトラックを走らせる。
パブというと、酒飲みが集まるところという印象だが、アイルランドの田舎では酒に関係なく、老若男女が集まる寄合所のような場所。ゆくゆくは店舗を構え、そんな幅広い人が集まれるような店をつくりたいと思っている。
松尾さんは6月上旬、アイルランドに研修旅行へ。「西海岸の港町Galway(ゴールウェイ)では、フードトラックが集まるサンデーマーケットにも遭遇できてラッキーでした」。
GUINNESS STOREHOUSE の「ハムチーズ・トースティー」¥1615
Jacobs Inn Dublin の「IRISH BREAKFAST BUFFET」¥2040
典型的なアイリッシュブレックファストをブッフェスタイルで。緑菜がなく見栄えが良くないが、おいしいので” おかわり”必至。